新市立病院のあり方を考える市民の会

新市立病院のあり方を考える市民の会について

新市立病院のあり方を考える市民の会について

About

25代松本市医師会長
須澤 博一
27代松本市医師会長
百瀬 英司

なぜ私たちは立ち上がったか

  • 全国で病院の縮小が進んでいる
  • 松本市に巨額な病院は必要ない
  • 波田は一般医療と高齢者対策が肝
  • 専門医療や高度救急は不可能
  • 毎年7億円税金を入れても赤字が続く
  • 経営改革しない病院は潰れてしまう
  • 運動広場は危険なので止めるべき

政治と無縁であった私たちが「市立病院建設」に関わって7年の歳月が流れた。市役所の政策立案、予算と決算、情報開示、市議会運営の足元を見詰め、さらに日本経済と人口動態、国の医療政策の大転換、病院の目指す方向を考察した。市関係者、市議会議員、税理士、建築家、地層専門家、市民、病院関係者、医学会の大先輩から教えを受けて真摯に学び緊急提言を25回以上公刊した。

当初、総額103億円の過大な病院建設計画と汚染された5.6万m2の広大な土地の購入をひとまずストップさせることが出来た。

当時の医師会長が大きな病院に賛成だったので、私たち元医師会長が医療関係者や市民と「新市立病院のあり方を考える市民の会」を作って活動を始めた。一方で、市役所中枢には杜撰(ずさん)な計画に対する危機意識があった。

国は少子高齢、人口減少の進行に対し医療政策を「病院中心から在宅中心」に大転換した。そこで、公立・公的病院、私立病院に急性期病床の縮小と地域での役割分担を求めた。これは厚労省の確固たる方針である。


「菅谷市長時代」

市役所内にも、この問題を直視し市民目線の職員たちが健在だった。市立病院に103億円の税金を投入する計画は、はじめから無理があった。しかし、病院長は急性期から慢性期(出産から終末医療)まで行う考えを改めないで強引にことを進めた。医療について詳しくない「庁内調整会議」や市議会「病院建設特別委員会」は病院建設の内容が煮詰まらないまま結論を急がされた。しかし、市民の会の緊急提言もあって市幹部は専門家を招聘して学習した。その後病院建設計画を見直し延期を決め特別委員会を解散した。市立病院が債務超過寸前であることから、先ず病院経営の改善に焦点が移ったが市立病院は抜本的な改革をしないで現状維持で留まっている。更なる規模の縮小を図り「身の丈に合った病院」にしない限り同病院は生き残れないと考える。

「臥雲市長時代」

当初、市長は「専門者会議」を招集し市立病院の経営改革と国の方針に沿って病院を縮小する「専門者会議」の提言に賛成し、高齢者対策としてフレイル予防を市の政策にした。ところが、管理者の「病床を縮小して職員と給与を削減すれば職員がやめて病院が潰れる」という、時代に逆行する考えを信じてしまった。提言に対し「見直し骨子案」を策定させ赤字対策を骨抜きにしてしまった。さらに管理者の「総合病院化構想」に賛成し、建設基本計画と設計業者選定で疑惑がある病院側の行動を容認した。「菅谷市長時代」に病院の税金依存と杜撰な建設計画に猛反対した副市長(退任)が考えを変更したので『市民の会』は市長に対し、

  1. ①時代は増加する高齢者に対応できる病院を求めている。
  2. ②国は市立病院に役割分担を求めている。
  3. ③患者の病院離れで多くの病院が赤字で苦しんでいる。
  4. ④人口減少時代に巨額な病院を建ても経営出来ないことを強く警告してきた。

しかし、市長は己れの専権事項と考え聞く耳を持たない。
180億円以上かかる巨額な病院は財政的に無理がある。経営改革しない病院は今以上多額な税金の投入が必要になる。また、波田駅前の中央運動広場は狭い上に脆い河岸段丘に囲まれ大地震で崩落する危険がある。進入道路も狭く駅周辺の整備に多額な予算が必要になる。強引に進めれば大変なことになるだろう。『市民の会』は多くの松本市民と医療関係者と共に今後の推移を注目して行きたい。