新市立病院のあり方を考える市民の会

駅前の中央運動広場は病院を建てる場所ではない

航空写真では、槍の穂先のような地形の外側に林が続いている。ここは大昔地震で陥没し、林とその外側が脆い河岸段丘で出来ている。南の河岸段丘の中段に農業用水路「波田せぎ」が流れている。市立病院の南側は大規模防災工事が完了しているが、中央運動広場は上部に住宅があり手がつけられない。広場南法面の工事は地震対策ではない。敷地が狭いので病院は5階建が必要、駐車場の確保、県道25号線から駅への進入道路の拡幅のための家屋移転、運動広場移転で約30億円の予算が必要になる。

平成25年、現在の病院南斜面に大規模な法面工事(矢印)を行い農業用水路と病院を大災害から守っている。同じ工事は運動広場側では最早できない。
中央運動広場の上は住宅で大規模工事は出来ない。敷地が狭いので5階しか建たない。4階建てに比べ高額になるので運動広場はこのまま使用すべきである。
南側の法面の工事は土砂災害防止であり地震対策ではないので危険地帯のままである。緑の草が生えた斜面が法面工事をした場所である。
南河岸段丘の中段には波田、新村、和田に毎分200トンの水が流れる農業用水路があるので、大地震が起れば崩落の恐れがある。
運動広場への進入道路は狭い上に2m近い高低差があるので、ここの拡幅には6軒の家屋の移転が欠かせないが、同意が必要。
県道25号線は急な坂道。冬場に凍結すればスリップ事故が起こる。しかし、病院に行くにはこの道路しかない。

なぜ市長は、狭いうえに危険で巨額な病院を波田駅前に建てるのか?多くの波田住民と病院職員が望む健康福祉センター周辺に場所を変えれば波田駅周辺の再開発に多額な予算を使う必要がなくなる。

当初、松本市は他に土地を買わないで済む。南河岸段丘は土砂災害工事をしたので絶対安全。波田駅周辺の街おこしにつながると主張した。一番重要な大地震の危険性や駅周辺開発に膨大な追加予算が必要なことには触れていない。波田地区を中心に西部地区の住民と松本市民の意見に耳を傾けないこと自体がおかしい。市長公約「市民の共感と納得」は早速、どこかに行ってしまった。危ない場所に多額の税金を注ぎ込むことは民意に反している。