松本市の医療者が反対する理由は、市立病院は役割を間違えているからです
松本医療圏と松本市医師会の関係
松本市は、県内10の二次医療圏で唯一、三次救急医療機関が存在しなかった。そこで、松本市医師会が中心になり、先ず3市の二次救急医療体制を広域の輪番制で機能させる体制を構築した。次に、病院小児科医の負担を軽減するための「松本市小児科内科夜間急病センター」、妊産婦のための「出産子育て安心ネットワーク」、「信大・相澤病院の三次救命救急センター」の開設に関与した。松本医療圏(3市5村)の「広域圏救急災害医療協議会」を行政、医師会、歯科医師会、薬剤師会、保健福祉事務所、広域消防局他で結成し救急医療の実施と地震災害を想定した医療救護訓練を、「医療救護マニュアル」に従い毎年実施してきた。
コロナ感染対策でも協議会傘下の感染症委員会が病院・診療所の協力体制を構築してきた。
以上のように、松本市医師会と医療関係者は、地域医療の「均衡化」に努め、とりわけ医療連携を大切にしてきた。「新市立病院のあり方を考える市民の会」は、この医療圏の歴史と役割を踏まえた上で、松本市民の将来を憂い、市立病院の暴走を阻止するために松本市と市立病院に助言や苦言を呈しているのである。