新市立病院のあり方を考える市民の会

緊急提言

「地域医療構想」での市立病院の役割は在宅医療を支援する「地域密着型病院」で主として回復期病院に相当します

回復期病院の役割は、急性期を経過した患者の在宅復帰に向けた医療とリハビリテーションを提供する機能です。脳血管障害、大腿骨頭骨折等の患者に対し回復期リハビリ機能を行うことになっています。小病院が大風呂敷を広げても大病院の役わりは不可能です。実績と能力のない病院は患者が集まらず潰れてしまいます。

なぜ、全国の病院経営が極端に悪化したのですか

全国の医療施設は18万強、病院は8,372、病床数は155万弱である。医師数は2024年に34万人強で、国の目標数を上回り、2040年には1,8万人余る。地方が不足し都会への集中が問題である。医療費は年47兆円。少子高齢化で健康保険制度の維持が困難になっている。そこで国は増えすぎた病院と医師数を削減する「戦略的撤退」を実施しようとしている。診療報酬の値下げ、患者の受診抑制、物価高で支出が収入を上回り医療機関は大赤字である。このままでは、全国の病院が破綻し、診療所も半減する恐れがある。

市病院局によれば、2032年までの10年間で103億円(税金補填と損益)の赤字が予想される

市立病院は赤字になっても松本市が税金で補填するのが当然と考えている。180床の病院では高度専門医療や高度救急医療は出来ない。杜撰な計画は妄想に過ぎない。松本地区は県内で医療施設が一番充実している。建設費と銀行金利で195億円、設備費と駅周辺開発費で30億円が必要(推定)。財政に大穴をあける計画は一旦凍結し、一から見直すしかない。波田駅前は危険地帯である。

市立病院の主な病床機能は急性期機能でなく包括期機能に該当する

2040年には入院患者の6割が65歳以上の高齢者になる。180床の病院は、高齢者等の急性期患者について、治療と入院早期からのリハビリ等を行い、早期の在宅復帰を目的とした治し支える医療を提供する機能。特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対し、日常生活動作の向上や在宅復帰を目的とした回復期リハビリ機能を行う。病院の果たす役割は包括期機能である。

管理者は潰れる病院を建てようとしている

国は診療報酬を下げ、増えすぎた病院を減らそうとしています。
医療は公定価格ですから諸物価が高騰して支出が収入を超えるため、多くの病院は破綻寸前になりました。西山地域は高齢化と人口減少が進みます、病院のがんばる(精神論)で決めてはいけません。あくまで実績と将来予想で判断すべきです。市立病院は国が定めた「包括機能」を中心に据えるしかありません。医療施設が充実した松本市はそれでよいからです。管理者の杜撰な計画を一から見直さなければ、だめでしょう、松本市は「潰れる病院」を作ることになります。